【別室】血統論とこだわり
オオクワガタに血統が!?
よく言われる血統(祖先から続いている血のつながり・血すじ)は、どうやらオオクワガタにも存在するようです。勿論、サイズという点にしても形状という点にしてもです。血統/系統(遺伝学上共通の祖先をもつ個体群・血統と同じ意味)の管理は、簡単に作り上げることが困難であり、非常に大切な部分と認識しています。管理に手を抜けばいとも簡単に崩れ去る気がしています。他の分野の方や、血統論などの専門知識があるかたからしたら「笑い話」かも知れませんが、クワガタ専門サイトと言うことでどうかご了承ください(^^)
さて、オオクワガタの形状に本気で「こだわる」としたら、遺伝学も必要で、趣味の範囲を超える数も飼育しないと本質が見えてこないのが現実と思います。 簡単に形に「こだわる」と言いましても、そこに千差万別の個体差と個人的な好みが加わり、文章のみで表現するのは大変に難しいところです。 また、一個人が一定の基準で他人の虫の評価すること自体は無理があると思います。価値基準・判断基準も人それぞれです。その基準を決めるのは飼育者本人だけだと思います。正直申し上げて、私は美形だとか何だとかのコンテストも何となく冷めた目でしか見られません。いずれにしましても評価なり他人の個体に対して発言するには、膨大な数の天然個体及び飼育個体を見て、+α多くの飼育経験と虫を見る目を養わないと無理でしょう。 そして、これぞ!と思う血統(系統)から何世代かを自らの手で管理し見守らずして何も見えないと思っています。例えばアウトラインブリードのF1世代で結果が出ないと「手放す・累代を断念する」では、何時になっても目標に近づくことは難しいと思います。一方で、何の血統的背景もない普通の個体から、いくら極太で羽化して欲しいと愛情を込め願掛けをしても、冷たいようですが一切クワガタには伝わることはありません。種親の選択も羽化までの飼育管理、更に素質の見極めをひたすらに繰り返すことが重要であり、一朝一夕に成就しません。ある日突然普通の個体から、目標とするスタイルのオオクワガタは羽化することはありません。経験も信念も必要ですし系統のはっきりしない個体との交配により「系統を創れる」ような偶然はまずありえないとすら感じます。必然的に「血統」と言う概念が出てきます。勿論形だけではなく、それはサイズにしても大きく影響することが多いでしょう。1にも2にもまずは血統ありきです。
更に言えば、厳しいようですが素質のない虫は
「最高の環境と最高のエサ」で飼育を試みても、期待するような個体は出てきません。偶然も有るかも知れませんが(偶然は続きませんし突然変異が何度も起こることはほぼあり得ないでしょう) 宝くじを当てるようなレベルかも知れません。
いずれにしても、血すじは非常に重要で否定出来ない部分だと私は思っています。

オオクワガタに限らず、クワガタには個体差があります。顎に関して言えば大歯・中歯・小歯型、顎だけで考えても基部の太さや形状。内歯の太さや角度ときりがありません。頭部を含めたボディにしても然りです。大歯型を表す個体で普通と言われる個体ではそれ程突出した特徴はないと思います。 当然ですが日本産オオクワは日本産オオクワの形をしています。しかし数百もしくは千頭単位で見た場合、希に前胸背板が異常に広いとか太い、大顎が異常に太い・つけ根が太くて張り出ている・・・などなど、日本産でも各部の形状が普通個体に比べ一見して特異な個体がでます。例えるなら以前には滅多に出ることの無かった5.0oを超える太い大腮基部。70o程度で5.5oは奇形でしょうか?6.0oや6.5oは計り方の問題と思われ、ここでは割愛します。断言は出来ませんが奇形は遺伝しないようです。では突然変異?と言ってもそれ程とも思えません。 WhiteEyeのクワガタに例えれば、突然変異は固定出来ます。そしてその特異個体(突出した個体)を累代すれば近いものが少なからず出ることが知られています。太い個体は血統的観点からも、けして多くはありませんが必ず次世代の何頭かに遺伝します!
手前味噌ながら、私の所では2系統のみで実験済みですが(突出した個体が出てからは5世代目)2割程度はバランス的にも太さ的にも近いものが出ています。私は3割程度を超えるまでその様な個体が出たら合格と思っています。4割〜5割はかなり困難と思っているからです。その前にあり得ない程の「極太」を作らなければ・・・等の理由もありません。簡単ではありませんが概ね3割程度、自分が求めていた形状が出てくれれば良いと思っています。そして、好みに合う合わないを別に10割(100%)が昔から居た「日本産オオクワガタから」の極太個体(真の国産オオクワガタ累代品)が誕生しないと意味がありません。何かと話題に上る外国産との交雑疑惑が出るほどの尋常でないスタイルは、ここでは論外です。

上記したような突出した個体は、過去に無かった菌床飼育の累代の賜であり、栄養豊富(管理下では半年で70oを超えてしまうのですから)で安全な状態で誕生出来る環境が、俗に言う極太個体(飼育個体)が出始めた説もうなずけます。野外個体にない太さや幅は、私には魅力的に感じます。但し、そう言った環境があるからこそ、お尻の大きい不格好にも見える普通個体も増えていることは確かです。
以前は野外個体や累代の極浅い個体を積極的に飼育し、採集も好きな関係上、数多くの疑問がありました。現在も依然として人気のある超極太血統(突出した)と呼ばれる個体群に見られる異常なまでの顎の太さ・ボディの太さや幅が果たしてオオクワガタが持っている本当に必要な姿か・・・・と言うことです。外敵から身を守るの為、同種との生存競争にそこまで必要なのか・・・?など遺伝と進化論にまで関係する多くの疑問がありますが、こちらは専門家の方に任せるとしても、やはり進化論・遺伝のメカニズムなどの興味は尽きません。
しっかりとした血統的背景を持つ個体を入手していれば、沢山の失敗や経験、情熱が良い結果を産むと信じています。この世界にはもっともっと凄くて、びっくりするような個体をお持ちの方、そして純粋な愛好家の方も多数居られます。また、一方では浮世離れした高額のブランド血統?など一般の愛好家では手の出せない血統もあるようですし、クワガタ1ペアに1ヶ月の給料又はボーナスに相当するような虫も存在します。私はそれを肯定も否定もしませんし、そのような血統及び個体を買う余裕のある方、そして必要とする方が買えばよいわけですし、虫以外の世界でも普通にあることだと思います。入手ルートの問題やら外産とのクロスの問題と色々と御座いますが、冒頭のように、多くの個体を見てそして書籍などにも目を通し、眼力を養うのが大切だと言うことです。 デリケートな部分?でもある外産とのクロスの話題は別項に述べたいと思います。
「こだわり」と聞くと何か凄いことを考えているとか、人と違ったことを目指している印象があります。○○に拘っている・・・と聞くと物々しくも感じます。
感じ方はそれぞれと思いますが、最近のクワガタサイトでは良く耳にします。それで、ちょっと考えて見たいと辞書を引きました。
こだわり→ 「ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる」と言う意味ですが、ノーマルな方からすればいずれもあまり良いイメージそして健全なイメージは無いようにも感じます。皆さんは如何でしょうか。
それはさておいて、どのようなことを気にして飼育するのかと言いますと、私を含めて皆さんは産地別に「こだわる」・大型血統に「こだわる」・太い顎に「こだわる」と様々だと思います。言うまでもありませんが、なにが正解でなにが間違いという事は無いので、こだわり方は人それぞれであり飼育者の方の自由ですね。
私の場合、こだわり(気持がとらわれている)とまで言いませんが、独自血統(オリジナル)の能勢血統で楽しむことが1番です。
 
オリジナルとは・・・↓

1 原型。原本。原図。原画。それらから複写・複製・ダビングされたものに対していう。

2 文芸作品・楽曲などの原作や原曲。脚色・翻案・翻訳されたり、編曲されたりしたものに対していう。
 
私流に言うと、「オリジナルの血統」「独自血統」とは自分自身で親種を選別し累代を続けてきた血統です。自分の理想とする形を安定して出したいために、現在も諦めずに続けています。2001年の春、当時の飼育個体から明らかに太いと思える「初代のお気に入り個体」が誕生し、2003年暮れには直仔においてやっと「待ち望む個体」に近いものが羽化しました。そして2006年、初代・2代目・3代目に負けない個体が誕生し更にこのオリジナル血統を信じて飼育を続けています。好みのスタイルの高価な有名血統の個体を入手してブリードするのも一つの手ですが、俗に言うブランド血統は出所がどうとか、本物かどうかとか、証明書がどうなのか・・・等、要らない話が多くて私は好みません。私が思うには本来の楽しみ方とは違ったイメージがあるからです。趣味で育てている自分の虫には「本物も偽物も無い」と思うからです。証明書が付いていても好みの形が出てくれなければ、それは全く意味はありません。ブランド名も証明書も何の保証もしてくれないと思います。ブランド好きの方には申し訳ないと思いますが、けして否定している訳ではありません。私も超極太血統と言う触れ込みで過去に何度か幼虫を入手しましたが、結果はご覧の皆様と一緒で正直あまり思わしい結果とは言えませんでした。「当たり」を引いた友人もいて、購入価格に見合った素晴らしい個体が羽化した事例もありますので何とも言えませんし、他に結果が出ている方もいらっしゃるかと思いますが、前記した傾向が極めて高いことは事実のようです。結果が出ない(期待値を下回る個体の羽化)のも、自分の血統からなら納得が行きますが、高額な幼虫を入手した場合、羽化したら期待値以下だったらショックは大きいですね。有名血統の個体で、親や兄弟に素晴らしいのが出ていると言っても、その個体自体が特徴を兼ね備え、更に次世代に継承させる能力や要素が無ければ期待は薄い気がしています。従って全てを見極めることの出来る独自血統なら、全てが見極めやすく自由度が高いのです。累代飼育においても親種となる個体を選ぶ幅が広いと言うことに尽きます。
突出個体・特異個体とは
オリジナル血統を楽しむ!
先 頭
オリジナル血統作出計画
−この項終わり−